フランス現地時間11月13日21:20(日本時間14日5:20)頃から30~40分ほどの間、パリ中心部及び郊外の6つ以上のエリア(スタジアム、レストラン、バー、コンサートホールなど複数)において銃撃や爆弾による一般市民への無差別テロ攻撃が発生。被害者は、少なくとも死者129人以上、負傷者352人以上で、1月のシャルリー・エブド襲撃事件の死者17人を遥かに上回った。
フランス政府は非常事態宣言を発令した。犯人は「アラー・アクバル(神は偉大なり)」と叫び、「シリアへの介入を許さない」と言ったとの情報もあり、犯行動機に9月に始めたフランスによるシリア内戦への軍事介入を示唆。またイスラム系過激派組織ISIL(イスラム国)は14日、パリ同時多発攻撃に対する犯行声明とされるビデオ声明をインターネット上にアップした。
戦時下(戦時体制)とは、つまり簡単にいうと戦争を行っている状態及びそのための政策を行うことだ。つまりシリアだけでなくフランス本土も事実上の戦地となったという事。
まあフランス国内は、同じくシリア内戦に軍事介入しているアメリカやロシアに比べて、テロ攻撃を行い易いというのもある。なぜなら、それはフランスの移民政策問題が原因である。
フランスは第二次大戦後の経済成長期に人口減少の対策としてアフリカ、中東、南欧などからの移民を大量に受け入れて、安価な労働力として酷使し、経済成長を支える政策を取った。しかしその後、経済停滞が続き、移民たちとその子供世代の仕事は減少、多くが失業し、彼らはフランスの低所得者層として底辺へ追いやられる。パリの観光地は比較的に治安が良いので日本人旅行者にはわからないと思うが、実はパリ郊外の地域によっては、低所得者向けの団地が立ち並び教育レベルが低い、いわゆるスラム街のようなエリアが多数存在する。そこでは銃やナイフで脅され金品を強奪されるなどの暴力行為が日常茶飯事で、現地のフランス人はまず近づかないと言う。
それら地域に住む住民の多くが貧困層に属する移民たちとその子供世代である。移民たちの中にはイスラム教徒も多く、彼らの子供世代は長きに渡り貧困と差別に晒され続け、社会に対する不満を重積させている。また彼ら若者が不平感を積もらせる原因として、実際フランス社会にさまざまな問題があり、それによる疎外感などからイスラム原理主義やイスラム過激派の思想に陥りやすい状態にあるのだ。
つまりイスラム過激派組織にとってフランスは、テロの戦闘員を容易にスカウトできる国なのである。さらに言えば、フランス及びEU諸国には、バルカン諸国やリビアなどアフリカ諸国、旧ソビエト、欧州旧共産圏諸国など紛争があった地域から登録されていない違法武器が闇市場を通じて大量に流入しており、価格も暴落していて、テロリストが強力な武器を簡単に入手できるというのもある。例えば今回のテロでも使用されたAK-47(カラシニコフ銃、ソビエト連邦製)は、日本円で約4万円くらいから購入可能なんだとか。
まあ当分はフランスに行くのは、やめといた方が無難だと思うよ。
<1113パリ同時多発テロ事件の全貌まとめ>
発生日:フランス現地時間11月13日
発生場所:フランスパリ中心部及び郊外
犯人:メンバーは少なくとも8人、2~3つのグループに分かれ攻撃
被害:死者129人以上、負傷者352人以上
<第1現場>
フランス対ドイツのサッカー国際親善試合が行われていたパリ郊外のサッカースタジアム「Stade de France(スタッド・ド・フランス)」付近で3回の爆発、内2度はスタジアム入口付近と近くのファストフード店で爆発。
午後9:20 自爆テロ
午後9:30 自爆テロ
午後9:53 自爆テロ
場所:93216 Saint-Denis、フランス
被害:4人以上死亡(うち3人は、自爆テロで死亡した容疑者)
備考:オランド大統領も試合を観戦、ハーフタイムの10:15頃に避難、試合は続行され2-0でフランスが勝利、観客は11:30頃に避難
<第2現場>
午後9:25 パリ東部のカンボジアレストラン「Le Peit Cambodge(ル・プチ・カンボジュ)」とバー「Le Carillon(ル・カリヨン)」で銃撃
場所:Rue Alibert、75010 Paris、フランス
被害:14人死亡
<第3現場>
午後9:29~32 レストラン「La Casa Nostra pizzeria(カーザ・ノストラ)」で銃撃
場所:2 Rue de la Fontaine au Roi、75011 Paris、フランス
被害:5人死亡
<第4現場>
午後9:36~38 カフェ「La Belle Equipe(ラ・ベルエキップ)」で銃撃
場所:92 Rue de Charonne、75011 Paris、フランス
被害:19人死亡
<第5現場>
午後9:43 カフェ「Comptoir Voltaire」で自爆テロ?
場所:Passage Turquetil、75011 Paris、フランス
被害:1人死亡?
<第6現場>
午後9:49 コンサートホール「Le Bataclan(ル・バタクラン)」入口付近で自動小銃を乱射、その後犯人4人が劇場内へ乱入、犯人はベルト式の爆弾を身に着け、10分以上にわたり銃を乱射
場所:50 Boulevard Voltaire、75011 Paris、フランス
被害:80人以上死亡
備考:米国のバンド「EAGLES OF DEATH METAL(イーグルス オブ デスメタル)」のライブ中で観客は1500人ほどだった
事件現場画像↓クリックでボカシなし画像※注意:悲惨な現場写真なので苦手な人は見ないように
<第7現場>
午後10:00 「ポーマルシェ大通り(Boulevard Beaumarchais)」で銃撃
場所:47 Boulevard Beaumarchais、75003 Paris、フランス
被害:4人死亡
午後9:57 ル・バタクランで立てこもりと現地警察が発表
午後10:36 警察がル・バタクランに突入
午後11:02 オランド大統領が非常事態宣言
午後11:55 ル・バタクランで立てこもり犯人を射殺と発表
<1113パリ同時多発テロ事件の動画まとめ>
Paris Terrorist attack ISIS 2015 (ISIS claims responsibility in 129 deaths)
PARIS EXPLOSION LIVE VIDEO
<1113パリ同時多発テロ事件に対するISの犯行声明ビデオ>
2015年11月14日夕方頃、「イスラーム国 フランス」名義の犯行声明文が出回る。
犯行声明全文:〔フランス〕イスラム国(IS)パリ同時多発襲撃事件 声明 全文犯行声明
ビデオ:Video calls on Muslims to carry out attacks in France
犯行声明が長いので要約すると
・イスラム国の仲間たちがフランスを攻撃したよ
・フランスとその仲間はイスラム国の標的のトップリストになり続けるよ
・フランスが空爆をやめない限りさらなる攻撃は続くよ
まあイスラム国からしたら自国の領土(自称)を空爆されているので、事実上フランスと戦争になっているって認識な訳で、現代戦において、本土攻撃されたら相手国の本土を報復攻撃するってのは当然の話で、テレビの連中はそれを「一般市民への無差別攻撃だからテロだー」って叫ぶけど、戦争を行っている国同士が、どんな攻撃しようとそれは戦争なのだから仕方ないってのが過去に何度も行われてきた戦争における暗黙の常識な訳で、それが戦争である。そんなことフランス政府はもちろん分かっているんだろうけど、あくまでもテロってことにしないといろいろ都合が悪くなるので、そう言っているだけ。アメリカもロシアも同じ。ただ単に戦争をするための口実が欲しいだけ。じゃあなぜ戦争をしたいのか?それは戦争をすると儲かるヤツらがアメリカやロシア、フランスにはうじゃうじゃいるから(爆)w
ちなみに武器輸出額のトップ3は、1位アメリカ、2位ロシア、3位フランスである。
憲法9条で守られていると信じているお花畑の国の平和ボケした日本人には理解できないかもしれないが、欧米や中国の政治家にとって戦争とは自国の利益を優先する為の別の手段による外交政策である。しかしそれを言葉に出して発言することはできないので、いろいろな口実を探し、自国を正当化し国民を納得させられる主張を行い、そして戦争を作るのである。そう戦争は一部の戦争により利益を得る自らをエリートと呼ぶヤツらのプロパガンダにより作られているのだ。
それはイスラム国側も同じ、指導者とされるヤツらが言葉巧みに無知な若者をプロパガンダで操り、戦争を作っている。ヤツらに共通するのは、実際の最前線で自ら戦闘を行うことはないということ。実戦をリアルに体験したことがないから、戦争を起こせるのである。
つまり表向きは「テロとの戦争」ってことになっているが、現実には事実上の「第三次世界大戦」が欧米と中東で行われているのである。しかも始めたアメリカ自身が、すでに収集不能に陥っている終わり亡き泥沼の戦争である。さらにアメリカは他国を巻き込んで、泥沼の責任をうやむやにしようとしている。
今、世界は、この先どこで何がおこっても不思議ではない戦争状態に突入したのである。とにかく日本は早急に軍備を増強しあらゆる事態に対応できるよう備え、自国の防衛力を強化する必要があるだろう。
撤退するアメリカと「無秩序」の世紀ーーそして世界の警察はいなくなった
ピューリッツアー賞受賞・WSJコラムニストが放つ全米超話題作!イスラム国、クリミア半島、アフガニスタン、尖閣諸島……世界各地で頻発する危機の背景にはアメリカの驚くべき方針転換がある。いま世界で何が起きているのか。日本はどう対処すべきか?誰が世界を守るのか?イラク、アフガニスタンでの悲惨な戦争を経て、徐々にアメリカは世界に対して背を向けつつある。これはオバマ大統領による外交方針だけではなく、タカ派を多く含む共和党ですら「撤退論」を主張し始めた。しかし、アメリカが世界の警察官の役割を放棄した途端、世界の秩序は崩壊し、暴力が各地に蔓延るようになった。日本もまたその例外ではない。著者はアメリカ国内の左派と右派をどちらも批判しつつ、歴史や統計を用いながら現実的な回答を模索していていく。イスラム国による日本人人質2名の殺害や、領有権を拡大する中国との関係などアメリカの外交方針の影響を大きく受ける日本の読者も必読の一冊。●アメリカが撤退した後の「権力の空白」を埋めるのは誰か?●「自由民主主義」がもたらす平和とはただの幻想にすぎなかったのか?●なぜ共和党と民主党が口を揃えて「撤退」を求めるのか?●ブッシュもオバマも矛盾した戦争の大義を掲げていた?●なぜヨーロッパもアメリカも軍縮をし続けるのか?●日本のためにアメリカは血を流す覚悟があるのか?
戦場観光 シリアで最も有名な日本人
職業、トラック運転手。趣味、戦争の最前線を旅する。イスラム国の戦闘員と誤報された経験あり。現在、アサド支持派から殺害予告を受けている。戦場に魅せられ、戦地に友人を作り、激戦地を観光し続ける――その姿をAFP通信から配信され「世界のフジモト」となった男の熱き記録。2011年末、数人集まれば秘密警察が飛んでくるシリアで数万人規模の民 主化デモが発生。そのデモを見たい! そう考えた俺は、反政府運動の聖地ホムスに出かけたが、大規模デモを見物している最中に銃撃されて しまう。その反動なのか、民主化要求のステージ上で「エブリバディ・トゥゲザー・ゲット・フリーダム!」と叫び、群衆を煽ってしまった。 その映像がシリア国営放送で全土に流れたことから、俺の人生が激変していく。今や俺のことをワシントンポスト、ニューヨークタイムズ、ア ル=ジャジーラ、アールアラビアをはじめ多くのメディアが取り上げてくれるが、なかなかシリアに入ることができないジレンマが……。「戦争の現実を見に戦場へ行こう。周到な準備さえあれば旅行者だってかまわないのだ」
そんな妄想が頭を駆け抜けた・・・
ま、まさかな・・・